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「砂の器」を読む [本・ゲーム・テレビ]

久しぶりに私のブログを観た友人から
「呑み記事ばっかりじゃないの!」というヒジョウに素直な感想を貰ったので
今日は少々反省しつつ、真面目に本の話でも。


今更感もある作品なのですが、
唐突に同僚が「はい、読んで」と貸してくれて読んだので折角だからと記事に。(^_^.)


 

砂の器〈上〉 (新潮文庫)

砂の器〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1973/03
  • メディア: 文庫

砂の器〈下〉 (新潮文庫)

砂の器〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1973/03
  • メディア: 文庫

同僚がナゼ貸してくれたのか不明なのですが、これまで松本清張で読んだことがあるのは、

空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫)

空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 文庫

実はこれだけだったので(恥)、同僚の心遣いに感謝しつつ読みました。


(amazonより転載)

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。
被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく
捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。
今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。
だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する。



手抜きしちゃった。(^_^.)



物語の舞台は昭和30年代半ば~後半くらいなので、さすがに時代的に古さを感じます。

「ヌーボー・グループ」とか、「ミュージック・コンクレート」とか、
平成の世には違和感を感じてしまうような言葉がちょくちょく出てくるのですが、
この時代だからこそのトリックというかなんというかが、後半で生きてくるわけですね。

犯人が別の人間として生まれ変わるために戸籍を作る場面で、
私もたまたま所用で知ったので読んでいてウムムムムーに思ったのが
戦争で焼失してしまった戸籍を復帰させるくだりでした。

今のように電子化されているわけでもないのでデータのバックアップもあるわけなく、
戦後、役所に申し出て戸籍を作り直してもらう、、、
それに乗じて犯人が自分の新たな戸籍を作る、そうかそうなのか、、なんて妙に納得しました。

 

読み始めの頃、犯人の手がかりが「カメダ」と「東北弁」とあったので、
それはきっと羽後亀田よ!というプチ鉄子なりの推理で読み進み、
刑事さんもその通りに羽後亀田に行くので「ちょっと行くの早すぎる?」と不安に思いながら
うつぼ母に「今、『砂の器』読み始めてさ~」と話したところ、

 

「ああ、それってカメダじゃなくてカメダケなのよね!」

 

思いっきりネタバレされてしまいました。(-_-;)


まだ全然カメダケが出てくるところまで読み進んでないのにネタばらしをされて憤慨した私、
読む楽しみを何割か奪われてしまった感もありましたが、
それでも、今西刑事が推測し、それを検証し、犯人を追い詰めていく、、、という
筋書きにはドキドキしながら読めました。

ま、一部、今西刑事自宅近所に、事件の関係者が住んでいた、というのは
ちょっと出来すぎのような気もしましたが。(^_^.)
そうしないと、事件の糸がつながっていかないでしょうから致し方ないのでしょうね。。

今の世に同じような事件があれば、
携帯電話、インターネットなど簡単便利なものが溢れているわけで、
犯人の証拠隠滅や協力者との連絡、刑事の犯人追跡などもっと効率よく進められるだろうな、
血液鑑定だってルミノール反応よりもっと精密な方法だってあるもんなあ、

血痕は語る

血痕は語る

  • 作者: 坂井 活子
  • 出版社/メーカー: 時事通信社
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 単行本

こんな本も好きだったりする私です。(^_^;)

と思わず現代と比較してしまいましたが、

犯人が残虐な殺人を犯してしまう理由は当時の世相に根深く存在した社会的差別であり
(といっても私は物語の設定の時代には生まれておりませんが。。。。)
そこから抜け出して別の人間として生まれ変わりたい、その強い思いから
戦後の混乱に乗じて別人の戸籍をつくり、新しい名前で新しい人生を歩み、
若いながら社会で成功した者として認められる、、、
そこに自分の過去を知る男が現れれば、たとえ男が悪気が全く無いとしても
犯人は心が乱れ、男を殺さないと葬ったはずの自分の過去が暴かれる、、と思う気持ちは
社会的地位が高くなればなるほど、これからの人生が順風満帆に思えるほど、
自分が忌み嫌う過去は知られたくないわけですものね。(世間に晒されてしまいますし)

こういう心理は今でも社会的差別がなくなった訳ではないのですから有り得るのでしょうが
今ならこういう行為に出る前にマスコミが群がってあーでもこーでもと騒ぐでしょうね。


人を殺めたことで犯人は華やかな栄光へ大きく飛躍する本当に直前で
捕らわれてしまい一気に転落、、、、、、、で話は終わりますが、
普段自分自身が考えることのない人間の業を深く感じる「砂の器」でありました。


 

砂の器 デジタルリマスター 2005 [DVD]

砂の器 デジタルリマスター 2005 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: DVD

こちらも観ようと思います。(^^)


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コメント 6

krause

そういえば、松本清張は、太宰治と同じ年齢なのですよね(1909年生まれ)。ちょっとびっくりしました。
by krause (2010-03-12 03:55) 

うつぼ

krauseさん、おはようございます。
松本清張と太宰治が同い年、、、、、芸能人でも時々そういうことを
知ってビックリすることがありますが、活躍した年代が違うとこういうことに
気付かなかったりしますよね。。。
by うつぼ (2010-03-12 06:54) 

bluebird

読後にやりきれなくなりますよねぇ・・・
昭和の暗い部分が、湿り気とともにひたひた迫ってまいります・・・
by bluebird (2010-03-12 23:11) 

うつぼ

bluebird姐さん、こんにちは。
姐さんは勿論とっくに読んでいらっしゃいますよね。。。
平成になっても社会的差別はなくなっていないのでしょうが、
昭和のどんよりした空気を思い切り感じる作品ですよね。。。
by うつぼ (2010-03-13 11:59) 

satokot

数年前に私も読みました!
しかし時代が微妙にリアル(肌で知ってる時代じゃないけどそう古くもない)なのがかえってピンとこなくて。。。さらに刑事が突然ハッとひらめいて物語が進んだりするので「え?え?なんでそれが分かったの?」って感じになっちゃって(ーー;)
でもこの時代の暗い部分をある意味中心にすえたような作品で単なる推理小説と思って読むもんじゃないのかもなーと思いました。
by satokot (2010-03-17 12:51) 

うつぼ

satokotさん、こんばんは。
satokotさんも読まれたんですね。(^^)
読んだ後の悶々というかなんというかなんともいえない気分でしたが、
今の時代にはとてもかけない話なのかもしれませんね。

by うつぼ (2010-03-17 22:52) 

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