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寿輔の「死神」 [落語&お笑い]

浅草演芸ホールの7月中席前半の夜の部に行く。

 寿輔師匠、2ヶ月ぶりの御目文字です。

いつものように18時半少し前に到着。

と、ホールの外に中途半端な人数の人だかり。
近づいてみたら、元こぶ平(好きじゃないので写真無し)がテレビ取材を受けていて、
その側で、ペー・パー夫婦がお互いの写真を撮っていました。
本当に2人共ピンク色の装いでビックリ。
そして、パー子さん、声でか過ぎ&高過ぎ。。。

中に入ると、いつもより観客少なく6割くらいの入り。
しかし、客層の9割はいつものようにシルバークラス。

なので、中年の私でさえ来場者の中で比較的若い部類に入ってしまいます。
「タイガー&ドラゴン」で起きた落語ブームは何処に行ったんだろうなー、
なんて思ったりして。 

若者よー、寄席にカムバーック。。。。

気を取り直して1階前方席に着席。

 まずは、柳家楽輔の「ちりとてちん」を途中から拝聴。
この噺、東京では「酢豆腐」、上方では「ちりとてちん」と呼ぶそうです。
食通を気取るキザな若旦那を困らせようと思った町人達が、
腐った豆腐を台湾からの珍味と言って食べさせる噺で、
酢豆腐を食べた若旦那が悶絶する表情に場内大爆笑。

 続いて東京ボーイズ。
寄席の常連と思しきジイチャンがペンライトをかざしながら、
「“孫”歌ってよ!(←ネタの中盤でよく歌う)」と三味線の六郎さんにリクエストすると、
リーダーの五郎さん(アコーディオン)が「うちのネタ知ってる常連さんだから言うんでしょ? 
でも、そう言われちゃうと歌わないんだよなー」と拒否。
こういうやり取りも寄席ならではですな。
笑いを混ぜながらハワイアンなどを歌った後は、いつもの謎掛け問答で〆。 

 お次の三遊亭遊三は、
前回の浅草寄席鑑賞時に三遊亭夢太朗師匠が話していた「替り目」で
主人公の酔っ払いぶりを好演。 

客が3割くらいまで減ってしまった仲入り後は、

 三遊亭春馬
顔が小さくて首が太いなあ、すっごい汗かいてるなあ、と思って見ていたら、
結局、噺が殆ど記憶に残らず。確か、怖いものは何かという噺だったような。

 続いて、今は亡き猫八の娘、江戸家まねき猫

まねき猫さんは、以前一度だけ寄席で観た事があるのですが、
猫八&小猫の鶯の鳴き声を小さい頃から聞き慣れているせいか、
今ひとつ物足りなかった記憶あり。
今回も初っ端の「鹿」の鳴き声で躓いて少々気の毒な展開となってしまいました。
後半は、得意の「猫の盛りの声」で盛り上がりましたが、今後に期待するということで。

因みに「猫八」というのは、江戸時代、動物の声帯模写を職業としていた人たちの総称だとか。
「江戸家」をつけて猫八を名乗った初代は、まねき猫さんの祖父だそうです。
ちょっと勉強になりました。

 続く桂伸治は「皿屋敷」
番町皿屋敷のお菊さんが今でも毎晩出てくると隠居から聞いた男連中が観にいくと、
「いちま~い、にま~い」と幽霊のお菊さんが皿を数えている。
9枚まで聞いてしまうと命を落とす、と隠居にいわれていた男連中は、
 「6ま~い」と言ったところで帰るが、美人のお菊さん見たさに毎晩屋敷に通うようになる。
美人のお菊さんの噂が噂を呼び、次第に大勢の見物人が屋敷にやってくるようになり、
お菊さんも大勢の見物人の前で愛想よくサービス満点に皿を数えるようになる。
ある日、お菊さんがいつものように皿を数え始め、「6ま~い」となったところで
帰ろうとした男連中、前にいる見物人がなかなか前に進まないうちに
皿の枚数が「7ま~い」「8ま~い」と進んでいってしまう。
焦っている内に「17ま~い」「18ま~い」と言うお菊さん。
「お菊さん、何でそんなに沢山皿を数えたんだ?」と男連中が聞くと、
「明日は休むから明日の分も数えたの」とお菊さんが答えてオチ。

怪談話の番町皿屋敷もこういう切り口だと笑えるもんで。

 春雨や雷蔵は「権助魚(ごんすけざかな)」
勤めている店の奥方に旦那の浮気を調べてくるようにと1円を渡された権助、
旦那について出かけると、旦那が権助を撒いて浮気相手のところへ行こうとして、
「お前に2円やるから、御茶屋で遊んだ後、船に乗って網で魚を獲った、
と帰り道の魚屋で網取り魚を買って女房に説明しなさい」と言われて帰される。
途中の魚屋で買った魚が、助惣鱈、鰯、茹でたタコ、目刺し、辛子明太子。
当然、帰宅して旦那の言うとおりに奥方に説明し魚を手渡すが、
「隅田川でこんな魚が獲れる訳ないでしょ!」と怒られてしまい。。。という噺。
マクラで「女と酒はニゴウ(二号・二合)まで」と言って入った権助魚、
雷蔵師匠の、訛りのきつい権助と奥方のやりとりが非常にテンポよく、
聞きながらガハハガハハ、です。

 新山ひでや やすこ

何度聞いても今ひとつ乗れない夫婦漫才。
もうちょっとテンポよく息の合ったところを見せて下さいね。

 三遊亭小圓右は、「豆売り」

蚕豆売りになった初日に、とんでもない客につかまって散々な目に遭う噺。

 そして、北見マキ(山上兄弟の父(北見伸)の師匠)
ビリビリに破った新聞が元通りになるのはナゼ?
白い紙が千円札に変身するのはナゼ?ナゼ? ナゼナゼの嵐。

そして、本日の主任、寿輔師匠が 「シャボン玉とんだ」のお囃子と共に、

  蛍光黄緑色のお召し物にて登場。 

早速ブツブツと小声で客いじり。

「突然、アマガエルみたいなカッコの噺家が出てきて、
 皆さん、さぞやお力落としのことと思いますが、
 皆さんを落胆させる噺家が必ず出ることが江戸時代から決まっております。
 3番、4番バッターばかりの巨人が、ここ最近ずーっとダメなように
 8番、9番バッターも必要ですし、
 私の前には錚々たるクリーンナップが勢ぞろいでしたので、
 ま、私の時間は(羽織を扇子で指しながら)目の保養ってとこで。
 
 で、あたしが出てきて話し始めたら今2人帰っちゃったけど、
 今日あたしは主任で持ち時間が25分もあるから、
 その間に帰ってくれた方がすっきりするし後のホール掃除が楽。 」

といつもより軽く客をいじり、噺は「死神」に。

酔っ払って家に帰った男、女房に「飲んでばかりいないで稼いでこい」と言われ、
こんな世の中に生きていても仕方ないから死んでしまおうと思うが、
川に身投げすると泳げないからダメだし、
焼身自殺は熱いし死ぬまで火傷の跡が残っちゃうし、
そうだ、ここに木があるから首を吊って死のう、
と思っていたところに現れた一人の田辺一鶴似の老人。
(注:田辺一鶴というのは寿輔師匠オリジナルと思われます)

「わしは死神じゃ。人には寿命ってもんがある。お前はまだ寿命が尽きてない。 
 だからお前を殺そうなんて思っちゃいない。
 お前は大分金に困っているみたいだから、お前に金儲けの方法を教えてやろう」
と言う老人(死神)。

訝しく思いながら方法を聞くと、男に「医者」になれ、という死神。

その方法は、
まず、自宅に医者の看板を出す、
すると誰かが診てもらいたいとやってくる、
その家に行って寝ている病人の足元と枕元のどちらかに必ず死神が座っている、
枕元に死神が座っていたら「手遅れです」と伝え、
足元に座っていたら呪文をかければ治る、その呪文は、

アジャラカ モロッコ エチオピア 
コンゴ スーダン テケレッツ の パッ!

この呪文を唱えると、

 ↑
と書いていて急に「黒猫のタンゴ」のB面「ニッキニャッキ」を思い出しました。
 うちの実家で熟成中。
「ニッキニャッキムキムキ」と唱えると嫌いなものは消え、好きなものは出てくるという
今考えると、子供の教育上よいのかどうか、という歌ですね。

噺を元に戻して、、、

この呪文を唱えると死神が去って病気が治る、そうすれば礼金をたっぷり貰える、
お前には術をかけてあるから死神が見えるはずだ。

という死神。

死神の言う通り、医者の看板をかけ、病人のところで死神の位置を確認し、
足元にいたら呪文を唱えてみると、病人は見違えるくらい元気になり、
たっぷり礼金をもらった男は、次々と病人を治して金持ちになるが
その金で大名旅行している内にすっからかんになり再び儲けしようとする。
死期の近い旦那を助けてほしいと言われ、行ってみると死神は枕元。
手遅れです、と言うべきところを、「助けてくれれば大金をくれる」という甘い言葉に
大丈夫ですよ、と答えてしまった男。
枕元の死神がうたた寝する昼ごろに、掛け声とともに布団ごと180度入れ替え、
死神を枕元→(布団反転によって)足元に移動させた途端、
例の呪文を大声で唱えて旦那を助け、大金の礼金を受け取る。

悦に入る男のところに、最初に指南してくれた死神が現れ、男を地下に連れて行く。
そこにあるのは沢山のロウソク。
これらはボーボー燃えていたり消えかかっていたりと、
人一人一人の命を示しているという死神。
死神に自分の命はどれかと男が訊ねると、消えかけているろうそくを指す死神。
驚く男に、死神は「お前は本当はもっと生きられるはずだったが、
金に目がくらんで寿命がきた人間を自分の寿命と引き換に助けてしまったんだ。
ここにある、寿命でもないのに無理心中で死んだ男のろうそくを継ぎ足せば
お前の寿命も延びるだろう」と冷たく言う。
死神の言葉を聞き必死で消えそうな己のロウソクに継ぎ足そうとする男だが、

果たしてロウソクはどうなるの???

これはうまくいく場合、うまくいかない場合、うまくいったと思ったら死ぬ場合、と
噺家によってオチが違うらしいのですが、寿輔師匠の場合は、

「うまくいかず男の命はさよーならー」 でした。

亡くなって幕が下りるのを観ながら
「欲張ると人間いいことないんだな。悪銭身につかずか」などと思いながら
寿輔師匠の噺が聞けたことに喜びを感じる寄席となりました。


タグ:死神 寿輔
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